追突事故は交通事故全体の約3割を占める『最も多い事故』
警察庁の統計によると、交通事故の類型別件数で最も多いのは『車両相互の追突事故』で、全体の約30%を占めます。停車中・徐行中に後方から追突されるケースが圧倒的に多く、被害者側の過失が0、加害者側の過失が100となるパターンが基本です。
追突事故の過失割合の原則
追突事故は『後方車両に前方注視義務違反がある』とされ、原則として追突した側が100%の過失を負います。ただし、被害者側に異常な急ブレーキや故意の停止など特別な事情がある場合は、過失割合が変更されることがあります。
- 信号待ち停車中の追突:相手100% / 自分0%
- 渋滞中の停止追突:相手100% / 自分0%
- 駐車場での後退追突:相手100% / 自分0%
- 故意の急ブレーキ後の追突:相手70% / 自分30%
- ハザードなしの路上停車追突:相手80% / 自分20%
追突事故で起こりやすい症状
むち打ち症(頚椎捻挫)
追突の衝撃で首が前後に大きく揺さぶられ、頚椎周りの靭帯・筋肉・神経が損傷します。首の痛み、可動域制限、頭痛、めまい、手のしびれが代表的な症状で、追突事故被害者の約7〜8割に何らかのむち打ち症状が出ます。
腰部捻挫(腰のむち打ち)
シートに腰を打ち付ける形で衝撃が伝わり、腰椎周りの筋肉・椎間関節を痛めます。長時間座っていられない、立ち上がり時に痛むなどの症状が出ます。重度のケースでは下肢のしびれを伴います。
頭痛・めまい・耳鳴り
頚椎周りの自律神経が乱れることで起こる症状群(バレ・リユウ症候群)です。デスクワークやスマホ操作で悪化しやすく、慢性化すると日常生活に大きな支障が出ます。
⚠ 事故直後は痛みを感じなくても、症状が出るのは1〜3日後のことが多いです。『自覚症状がないから大丈夫』と受診を見送ると、後で症状が出ても保険会社から『事故との因果関係なし』と判断されるリスクがあります。
追突事故被害者が取るべき7つの手順
- 1. 警察を呼び、人身事故として届け出る
- 2. 加害者の氏名・住所・保険会社を確認
- 3. その日のうちに整形外科を受診し、診断書を取得
- 4. 相手保険会社に整骨院通院の連絡を入れる
- 5. 月10日以上の通院ペースを維持する
- 6. 整形外科を月1回以上受診し、症状経過を記録
- 7. 症状固定後、後遺症があれば等級認定を申請
慰謝料の目安(弁護士基準)
追突事故によるむち打ちの場合、通院3か月で約73万円、6か月で約116万円が弁護士基準の慰謝料目安です。後遺障害14級が認定されれば、これに加えて後遺障害慰謝料約110万円と逸失利益が請求できます。
症状が事故から数日後に出てきました。今からでも補償を受けられますか?
事故から2週間以内であれば、整形外科を受診して『事故が原因の症状』と診断書に記載してもらえば、ほとんどのケースで補償対象になります。それを過ぎると因果関係を否定されるリスクが高まります。
レントゲンで異常がないと言われましたが、痛みが続きます。
むち打ちは靭帯・筋肉・神経の損傷が主で、レントゲンには映りません。MRI検査を依頼するか、整骨院での触診・徒手検査で評価してもらいましょう。痛みがある以上、治療継続の根拠になります。
保険会社から『3か月で治療を打ち切ってください』と言われました。
症状が残っているのに治療を打ち切るのは早計です。医師が継続必要と判断していれば、治療継続の意思を保険会社に明確に伝えてください。それでも打ち切られた場合は、健康保険を使って自費で通院を継続し、後の示談交渉で請求します。




